快眠を手に入れるためには、枕の高さや形だけでなく枕の素材選びが欠かせません。
中素材は硬さやフィット感、首や頭の支え方、通気性、吸放湿性など、寝心地を大きく左右します。
素材ごとの特性を理解せずに選ぶと、首肩こりや蒸れ、睡眠の質低下につながることもあります。逆に、自分の体質や好みに合った素材を選べば、寝姿勢が安定し、朝まで快適に眠れます。
本記事では、代表的な枕素材の特徴やメリット・デメリット、そして最適な選び方のポイントを解説します。
快眠を左右する「枕の素材」徹底解説
なぜ枕の素材が快眠に重要なのか?
快眠には、枕の高さや形だけでなく素材選びが欠かせません。
枕の中素材は硬さ・フィット感・支え方・通気性・吸放湿性など、寝心地を大きく左右します。
素材によっては蒸れにくく、ダニやホコリが発生しにくいものもあり、アレルギー対策としても重要です。さらに枕は、形を自由に変えられるモルダブルタイプと、形状固定のノンモルダブルタイプに大別され、素材によって枕の高さ調整のしやすさも異なります。
つまり、自分の体質や好みに合った素材を選ぶことが、快適さと睡眠の質を高める鍵なのです。
枕に使われる素材の種類と特徴
市販されている枕には非常に多くの素材がありますが、本記事では代表的な16種類の素材について、その特徴を網羅的に解説します。
素材ごとの一般的な硬さ・フィット性・サポート性・通気性・吸放湿性・アレルギーへの適性・洗濯の可否を一覧表にまとめました。まずは各素材の傾向を比較し、自分の求める条件に合いそうな素材に目星をつけてみましょう。
| 素材 | 硬さ | フィット性 | サポート性 | 通気性 | 吸放湿性 | アレルギー | 洗濯 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
高反発ウレタンフォーム![]() | やや硬め | △~◯ | ◯ | △ | △ | ◯ | △ |
低反発ウレタンフォーム![]() | 柔らかい | ◎ | △ | △ | △ | ◯ | × |
ラテックス![]() | ふつう | ◯ | ◎ | △ | △ | × | × |
高反発ファイバー![]() | やや硬い | × | ◯ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
TPE(エラストマー)![]() | やや柔らかめ | ◯~◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
ポリエチレンパイプ![]() | 硬 | ◯ | △ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
そば殻![]() | 硬 | ◯ | △ | ◎ | ◎ | × | × |
スマッシュフォーム![]() | 柔らかめ | ◎ | △ | △ | △ | ◯ | × |
マイクロビーズ![]() | 硬め | ◎ | △ | △ | △ | ◯ | × |
ひのき(チップ)![]() | 硬い | ◯ | △ | ◯ | ◎ | △ | △ |
小豆![]() | 硬い | ◯ | △ | ◯ | ◎ | ◯ | × |
羽毛(ダウン)![]() | 柔らかい | ◎ | △ | ◯ | ◎ | △ | △ |
羽根(フェザー)![]() | やや硬め | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | △ | △ |
ポリエチレンフレイク![]() | やや柔らかめ | ◎ | △ | ◯ | △ | ◎ | ◎ |
ポリエステルわた![]() | やや柔らかめ | ◎ | △ | △ | △ | △ | △ |
ウール![]() | やや柔らかめ | ◎ | ◯ | ◯ | ◎ | △ | × |
(◎=とても良い・高い、◯=良い、△=やや劣る、×=ほぼ無し・不可)
引用:快眠タイムズ
表を見ると、それぞれの素材で性質がかなり異なることが分かります。それでは、各素材ごとにどんな特徴があるのかポイントを解説していきます。
高反発ウレタンフォーム(ノンモルダブル素材)

ウレタン樹脂製の高反発フォーム枕で、本体が塊状、首のカーブに沿った成型品が多いです。
やや硬めで沈み込みすぎず、首・後頭部をしっかり支えます。フィット感は素材側で調整できないため、自分の首に合うか確認が必要。通気性は低めですが通気孔付きもあり、大きく蒸れにくいタイプもあります。
水洗い不可が多いものの、洗える製品もあり。硬めの寝心地や首のサポート性重視の方におすすめ。
高反発ウレタンフォームのおすすめ

¥37,400(税込)~
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低反発ウレタンフォーム(ノンモルダブル素材)

テンピュールなどに代表される低反発素材。
柔らかくゆっくり沈み込む感触で高いフィット感がありますが、反発力は弱め。沈み込み防止のため高さや形に工夫された製品も多いです。通気性は非常に低く蒸れやすいですが、空調の効いた環境なら問題は少なめ。
水に弱く洗濯不可が基本。柔らかな寝心地を好み、温度管理された環境で使う方に向きます。
低反発ウレタンフォームのおすすめ

¥17,600~(税込)
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ラテックス(ノンモルダブル素材)

天然ゴムの樹液から作られたフォームで、柔らかさと高反発を兼ね備えます。
沈み込みつつしっかり支える感触が特徴で、サポート性は高いですが「ふわふわ感」を求める方には不向き。通気・吸湿性は低めで蒸れやすい傾向です。また、ゴムアレルギーの方は使用不可。水洗いもできません。高反発と適度な柔らかさを両立させたい方に適しています。
ラテックスの特性を活かした枕を探すなら、「コアラピロー」などが候補になります。

¥12,500(税込)
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高反発ファイバー(ノンモルダブル素材)

ポリエステルなどの繊維を絡ませて固めた構造で、やや硬めでしっかりとした寝心地が特徴です。
形状は一体型のため粒状素材のようなフィット性は低めですが、繊維の隙間が多く空気の通りが良いため、通気性は枕素材の中でもトップクラス。寝汗をかいてもムレにくく、速乾性にも優れます。
ほとんどの製品は丸ごと水洗い可能で、洗っても劣化しにくい耐久性も魅力。ダニやホコリが付きにくい衛生的な素材で、夏場や湿気の多い環境にも適しています。硬めで成型タイプの枕が好きで、清潔さや通気性を重視する方におすすめです。
高反発ファイバーのおすすめ

¥33,000(税込)~
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TPE(熱可塑性エラストマー、ノンモルダブル素材)

ゴムのような弾力と柔らかさを持つ樹脂素材で、近年はジェル状や格子構造を採用した枕に使われています。
押すと柔らかく沈みながらも、高反発素材のようにしっかりと跳ね返すため、包み込まれる感触とサポート性を両立。格子状の構造は空気が通りやすく、熱や湿気がこもりにくい設計です。
ほとんどが水洗い可能で、手入れが簡単かつ衛生的。価格はやや高めですが、反発性・柔らかさ・通気性・洗いやすさのすべてを求める方に適した高機能素材です。
TPEのおすすめ

¥15,800(税込)
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ポリエチレンパイプ(モルダブル素材)

中が空洞の小さな筒状パーツを詰めた「パイプ枕」に使われる素材。
硬めでコロコロした触感ですが、粒が動くため頭の形に沿ってある程度フィットします。最大の特徴は抜群の通気性と丸洗い可能な手入れのしやすさで、汗をかいても乾きやすく衛生的です。
中材の量を調整できるタイプが多く、高さや硬さを好みに合わせられます。ただし詰めすぎると当たりが強くなり、肩こりや首こりの原因になることもあるため注意が必要。硬め好みで通気性や衛生面を重視する方に最適です。
ポリエチレンパイプのおすすめ

¥39,600(税込)
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そば殻(モルダブル素材)

そばの実の殻を乾燥させた自然素材。粒が動くことである程度フィットしますが、非常に硬くザラザラとした感触です。
通気性と放熱性に優れ、夏場や頭が熱くなりやすい方にはひんやり快適。ただし使用中に殻が割れて粉塵が出る場合があり、喘息やアレルギーのリスクがあります。そばアレルギーの方は使用不可。
自然素材の涼しさを好む方に向いていますが、アレルギー体質の方は避けるべきです。
そば殻のおすすめ

¥3,800(税込)
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スマッシュフォーム(モルダブル素材)

ウレタンフォームを細かく粉砕したチップ状の素材。
柔らかめでフワフワした感触があり、粒が動くことで頭に沿ってフィットします。低反発ウレタンほど沈み込まず、ソフトな寝心地を好む人に人気。ただし通気性や吸湿性は平均的で、蒸れやすさは多少あります。
水洗いは不可で、湿気がこもると劣化しやすい点に注意。柔らかさとフィット感をバランスよく求める方におすすめです。
スマッシュフォームのおすすめ

¥23,100~(税込)
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マイクロビーズ(モルダブル素材)

直径1mm程度の極小発泡スチロール系ビーズを詰めた枕です。
細かなビーズが流動し、首から頭まで隙間なくフィットします。一瞬は包み込まれるような心地よさがありますが、ビーズ同士が密集しやすく熱がこもりやすいのが難点。さらに圧縮されると硬さを感じやすく、後頭部に強い当たりを覚えることもあります。ビーズの流動性により寝返り時に形が崩れやすく、快眠用としてはあまり推奨されません。
水に弱く、基本的に洗濯不可。短時間のリラックス用途や特殊な形状の補助枕には向きますが、長時間の使用には注意が必要です。
マイクロビーズのおすすめ

¥5,990(税込)
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ひのきチップ(モルダブル素材)

国産檜の木片を小さなチップ状に加工した天然素材。
触感はかなり硬く、頭へのフィット感はあまり高くありませんが、檜特有のひんやり感と清涼感があります。檜の香りにはフィトンチッドによるリラックス効果が期待され、夏場の使用に爽やかさを加えます。ただし、製造過程で花粉が混入している可能性があり、花粉アレルギーの方には不向きです。
通気性は良好で湿気がこもりにくい一方、硬さや香りの好みが分かれる素材です。檜の香りや自然な涼しさを楽しみたい方に向いています。
ひのきチップのおすすめ

¥10,780(税込)
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小豆(モルダブル素材)

乾燥小豆を詰めた珍しい天然素材枕。
粒状で硬いため、フィット感はほどほどですが感触はかなりゴロゴロします。冷感があり、夏場はひんやり快適。最大の特徴は電子レンジで温められることで、温熱効果により血行を促進し、首や肩のコリを和らげる使い方も可能です。冷やして使えば熱帯夜対策にもなります。
洗濯はできず、湿気に弱いためカビ対策が必要。硬めの感触が平気で、温冷両用のユニークな枕を試したい方におすすめです。
小豆のおすすめ

¥19,500(税込)
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羽毛(ダウン、モルダブル素材)

ガチョウやカモのダウン(綿毛)を80%以上使用。
極めて柔らかく、頭を置くとふわっと沈み込みますが、上質な羽毛は復元力が高くふっくら感が長持ちします。化学繊維では再現しにくい軽さと暖かさが魅力。吸湿発散性が高く汗を吸いやすい反面、こまめな陰干しや乾燥機によるケアが必要です。
水洗いは可能な場合もありますが、素材を傷めやすいため注意が必要。柔らかい寝心地が好みで、丁寧なメンテナンスをいとわない方に適しています。
羽毛(ダウン)のおすすめ

¥22,000(税込)~
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羽根(フェザー、モルダブル素材)

ダウンではなく軸のある羽を主体にした枕で、やや硬めでゴツゴツした感触。
フィット感はダウンより劣り、部分的な当たりが気になる場合があります。快眠用としてはあまり推奨されず、羽毛枕を選ぶならダウン比率が高いもの(50%以上、理想は70%以上)がおすすめ。
価格は抑えられるため、コスト重視である程度の寝心地を求める場合には選択肢となります。
羽根(フェザー)のおすすめ

¥4,990(税込)~
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ポリエチレンフレイク(モルダブル素材)

薄片状に加工されたポリエチレン樹脂を詰めた素材。
羽毛に近いふんわり感と高い復元力が特徴で、軽く優しい使い心地です。化学繊維ながらホコリが出にくく、丸洗いしても固まりにくい耐久性があります。
頻繁に洗濯して清潔に保ちたい方や、羽毛のような感触を手頃な価格で求める方に適しています。
羽根(フェザー)のおすすめ

¥4,990(税込)~
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ポリエステルわた(モルダブル素材)

一般的な綿枕の中身であるポリエステル繊維を使用。
ふんわり柔らかくクッション性があり、最初は頭や首にフィットしますが、使用とともにへたりやすく、綿の偏りや塊ができやすいです。ダニが繁殖しやすい点も注意。
水洗い可能な製品もありますが、繊維が寄ってダマになることがあります。安価で入手しやすく、柔らかめの寝心地を求める方に向いています。
ポリエステルわたのおすすめ

¥2,980(税込)
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ウール(モルダブル素材)

羊毛を細かくほぐした天然素材で、しっとりとした柔らかさと適度な弾力があります。
天然の調湿機能でムレにくく、長時間快適な寝心地が続きます。ただし動物性繊維のためダニが発生しやすく、定期的な陰干しや乾燥が必要。洗濯は基本不可ですが、消臭・調湿性に優れているため長く使えます。
柔らかめの寝心地と天然素材の快適さを重視する方におすすめです。
ウールのおすすめ

¥11,000(税込)
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自分に合った枕素材の選び方
快眠のために自分に合う枕素材を選ぶコツをまとめます。人によって体格や好み、環境は様々ですので、以下のポイント5つを参考に条件に合った素材を絞り込んでみましょう。
①枕のタイプ(モルダブル or ノンモルダブル)を決める
枕選びの失敗で一番多いのが、高さが合わないこと。自分が高さや形状の調整をしたいかどうかを考えましょう。
細かい素材が中に入っていて自由に動かせるモルダブル枕は、頭・首へのフィット感が高く高さ調節もしやすいので、自分好みの形に合わせたい人に向いています。
一方、成型された形状のノンモルダブル枕は、素材を動かす手間なく首に当てるだけで使える手軽さが利点で、形状調整が面倒な人や自分に合った形が既に分かっている人に適しています。
まずは自分にどちらのタイプが合いそうかを決めると、選択肢を大きく絞ることができます。
②好みの硬さ・フィット感から選ぶ
枕の感触の好みは人それぞれです。しっかり硬めで首が沈み込まない方が楽という方は、高反発ウレタンやラテックス、そば殻、パイプ枕など硬さ・反発力のある素材が候補になります。
一方、頭がふんわり沈む柔らかい感触が好きな方は、低反発ウレタンや羽毛、ポリエステルわた、ウールなど柔らかい素材がおすすめです。
中間的な「程よい柔らかさ」が欲しい場合は、ラテックスやTPE、高反発ファイバーのように弾力と適度な柔軟性を持つ素材が向いています。
③通気性・吸湿性など快適性で選ぶ
寝ているときに頭や首に汗をかきやすい方や、暑がりで枕が蒸れると眠れない方は、通気性や吸放湿性に優れた素材を選ぶことが重要です。
例えば通気性重視なら、そば殻やパイプ、TPE、高反発ファイバーなどがいずれも通気性「◎」で群を抜いています。
汗っかきで吸湿性も重視するなら、そば殻や小豆、ウール、羽毛など自然素材系は吸放湿性が高く蒸れにくいでしょう。逆に低反発ウレタンなど通気・吸湿性が低い素材は、エアコン無しで寝る夏場には不向きです。
自分の寝室環境や体質に照らし、涼しさやムレにくさをどの程度求めるかで素材を取捨選択しましょう。
④アレルギー体質から選ぶ
ハウスダストやダニ・カビに敏感な方は、枕素材のアレルギー適性も要チェックです。
そば殻は粉塵を吸い込むと喘息の恐れがあり避けるべきですし、ラテックスはゴムアレルギーがある人には厳禁です。羽毛やウールも素材自体やダニの温床になりやすい点でアレルギーリスクが「△」となります。
一方、ポリエチレン素材(パイプやフレイク)や高反発ファイバー、発泡ビーズ類はダニが住み着きにくくホコリも出にくいためアレルギー面で安心な素材です。
⑤お手入れ面から選ぶ
また洗濯の可否も衛生面では非常に重要です。
汗や皮脂で枕を清潔に保ちたい人は、水洗い可能なパイプ枕・高反発ファイバー・ポリエチレンフレイク・TPE素材などを選べば家庭で洗えて清潔さを保てます。
逆に低反発ウレタンやラテックス、羽毛など洗えない素材の枕を使う場合は、カバー類のこまめな洗濯や陰干しで清潔を維持しましょう。
自分のアレルギーの有無やお手入れに割ける手間も考慮して、無理なく使い続けられる素材を選ぶことが快眠への近道です。

たくさん種類があって、結局どう選べばよいか悩むわね…



一番重要なのは「何を外せないか」をしっかり自分で持っておくことです
枕選びは人それぞれ好みが分かれます。「これだけは譲れない」「これは無理」等のような判断軸を持っておくと、より自分に合った枕選びが出来るようになります。
まとめ
今回は代表的な枕素材の特徴や選び方について解説しました。
快眠のためには、枕の高さや形だけでなく素材選びが重要です。枕の中素材は硬さやフィット感、通気性、衛生面に直結し、睡眠の質を大きく左右します。
それぞれの素材には特徴があり、柔らかさ・支えやすさ・蒸れにくさ・アレルギー対策など、得意とするポイントは異なります。つまり、自分の体質や好みに合った素材を選ぶことが快眠への近道です。
理想的な素材と高さの枕を選べば、寝姿勢が安定し、首や肩の負担も減り、ぐっすり眠れるようになります。ぜひ自分に合う枕を見つけて、快適な睡眠を手に入れましょう。



















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