枕は本当に必要なのか?枕不要論と理由を徹底解説

「枕なしのほうが自然な姿勢で眠れる?」
「高い枕を使うとストレートネックになる?」
「そもそも枕って必要なの?」

睡眠に関する情報があふれる中、「枕不要論」を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

確かに、「枕を使わないほうが健康に良い」「肩こりが軽減する」といった意見もあります。しかし、実際に枕を使わずに寝ると、首や肩への負担が増え、睡眠の質が低下するリスクがあることが科学的にわかっています。

では、なぜ枕が必要なのか?また、どんな枕を使えば良いのか?

本記事では、「枕が必要な科学的根拠」を徹底解説していきます。

目次

枕は本当に必要?科学的に徹底解説

なぜ「枕不要論」が生まれるのか?

「枕なしのほうが体調にいい」「枕なしの方が朝起きた時に首が楽だ」という声があります。実際に、枕なしで寝ることを推奨する意見には、いくつかの根拠があると言われています。

主な枕不要論の主張は以下のようなものです。

自然な寝姿勢に近づく

出典:エマスリープ
  • 「人間はもともと枕を使わずに寝ていた」という説に基づき、「枕なしのほうが自然な寝姿勢に近い」という考え方。
  • 例えば、動物は枕を使わずに寝るし、昔の人も枕を使わずに生活していたと言われることがある。

ストレートネック予防になる

  • 「高い枕がストレートネックを悪化させるから、枕なしのほうが良い」という考え方。
  • 実際に、枕が高すぎると首が前に押し出され、ストレートネックのリスクが高まることは確かである。
  • これを回避するために「枕なしで寝ると首が自然な位置に戻るのでは?」という発想が生まれる。

肩こりや頭痛の軽減につながる

  • 特に枕が合わない場合、逆に肩こりや頭痛の原因になることがあるため、「それならいっそ枕を使わないほうがいいのでは?」と考える人もいる。

これらの意見には一理あるものの、実際に「枕なしが最適」とは言い切れません。では、枕なしで寝ることにはどんなリスクがあるのでしょうか?

人間の骨格から考える「枕が必要な理由」

枕の役割を理解するためには、人間の骨格、特に頸椎(首の骨)の構造を知ることが重要です。枕なしで寝ると「自然な姿勢で眠れる」と思われがちですが、実際には首や肩に大きな負担がかかることがわかっています。

頸椎のS字カーブを支える役割

私たちの首の骨(頸椎)は、まっすぐではなくゆるやかなS字カーブを描いています。

出典:榎本メディカル


このカーブは、以下の役割を果たしています。

  • 頭の重み(約5kg)を分散し、首や肩の負担を軽減する
  • 寝ている間も首の自然な角度を維持することで、筋肉の緊張を防ぐ

枕は、このS字カーブを適切に支えるためのクッションの役割を果たすものです。適切な枕を使うことで、寝ている間も首が無理なく支えられ、筋肉や関節にかかる負担を減らすことができます。

しかし、枕なしで寝ると、このS字カーブを支えるものがなくなり、首が不安定な状態になります。その結果、筋肉が緊張して首や肩に負担がかかり、朝起きたときにコリや痛みを感じやすくなります。特に、仰向け寝の人は、後頭部が沈み込みすぎたり、首が反りすぎたりすることで、より負担が大きくなることがあります。

出典:siawasemakura

そのため、首のカーブを自然に支える枕を使うことで、筋肉の負担を減らし、寝返りがしやすく、質の高い睡眠を得ることができるのです。

理想的な枕の条件とは?

快適な睡眠を得るためには、自分の寝姿勢や体格に合った枕を選ぶことが大切です。理想的な枕には、以下の条件が求められます。

首のカーブを自然に支え、頸椎の負担を軽減する高さ

枕の高さが合っていないと、首や肩に負担がかかり、寝起きの痛みやコリの原因になります。適切な枕は、首のS字カーブを自然に支え、リラックスできる高さであることが重要です。

出典:ブレインスリープ

適度な硬さと柔軟性があり、寝返りを妨げない構造

柔らかすぎる枕は沈み込みすぎて首が不安定になり、逆に硬すぎると圧迫感を感じて寝返りがしにくくなります。適度な硬さと反発力のある枕を選ぶことで、スムーズな寝返りをサポートし、快適な睡眠を維持できます。

通気性が良く、快適な睡眠環境を維持できる素材

枕の素材によっては、寝ている間に熱がこもり、寝苦しさの原因になることがあります。通気性の良い素材を選ぶことで、蒸れを防ぎ、快適な温度と湿度を維持することができます。

寝姿勢(仰向け・横向き・うつ伏せ)に適した形状とフィット感

寝姿勢に合った枕を選ぶことも重要です。


出典:ブレインスリープ
  • 仰向け寝:低めの枕で首を自然に支える
  • 横向き寝:肩幅に合った高さの枕で首と背骨をまっすぐにする
  • うつ伏せ寝:極薄の枕または枕なしが適している

自分の寝姿勢に合った形状とフィット感のある枕を選ぶことで、首や肩の負担を減らし、より深い眠りにつながります。

まとめ

枕が不要だと言われることもありますが、科学的に見ると、ほとんどの人にとって枕は必要不可欠です。ただし、大切なのは「枕を使うこと」ではなく、自分の体に合った枕を選ぶことです。

  • 枕は首のカーブを支え、肩や首の負担を軽減する
  • 寝返りをサポートし、深い睡眠を促す
  • 気道を確保し、いびきや無呼吸症候群のリスクを減らす
  • 自分の寝姿勢や体格に合った枕を選ぶことが快眠のカギ

「枕が合わない」と感じる方は、まず高さ・硬さを見直してみることがおすすめです。タオル枕を使って試すなどの工夫をしながら、自分にとって最適な枕を見つけて、より良い睡眠を手に入れましょう!

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この記事を書いた人

コージー | 睡眠コンサルタント

社会人生活の傍らで続けていたスポーツ競技での故障や身体の不調を経験し、健康維持や病気の予防に関わる仕事を志す。
国内最大手企業→ヘルスケア業界へ転身し、医療機器開発やヘルスケアサービス開発等に従事。これまでに、国、自治体、医療機関等と連携し、様々な未病予防や予防医療に関する事業を推進、展開。
現在は睡眠関連の事業を立ち上げ、睡眠の悩みや身体の不調が気になり始めた方に向けて、「知る」「予防」「改善」につながる取り組みを推進中。

睡眠健康指導士上級
スリーププランナー
NESTAスリープサイエンススペシャリスト
健康マスター

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