赤ちゃんに最適な安全な枕の選び方とは?目的別・安全ポイントも解説

赤ちゃん用品を揃えていると、ふと目に入ってくる可愛らしいベビー枕。

ドーナツ型、くぼみ型、傾斜付き…いろんな形や素材があって、「うちの子にはどれが合うんだろう?」「そもそも必要なの?」と迷ってしまう新米ママも多いのではないでしょうか。

赤ちゃんの枕は、大人のものとは目的も使い方もまったく違います。見た目や口コミだけで選んでしまうと、赤ちゃんにとって快適でないどころか、思わぬリスクにつながることも。

今回の記事では、「赤ちゃん用の枕って何のために使うの?」「どう選べば安心なの?」という疑問にお答えします。

目的に合った枕を、安全に、そして納得して選べるよう、“かわいいだけじゃない、安心して使えるベビー枕の選び方”を丁寧にお届けします。

目次

赤ちゃん用の枕はどう選ぶ?目的に合った“安心・安全”な選び方

赤ちゃん用の枕に込められた“目的”とは?

赤ちゃんにとっての枕は、大人のように「首を支えて眠りやすくする」ものとは少し役割が違います。まだ体のつくりが未熟な赤ちゃんには、眠る時間が長いからこそ、特有の悩みや心配がつきもの。そんな赤ちゃんのために、枕にはいくつかの“目的”があります。

① 頭の形を整える

赤ちゃんの頭はやわらかく、寝ている時間も長いため、いつも同じ方向を向いていると絶壁や斜めの変形が起こりやすくなります。
こうした変形をやさしくサポートするために、中央がくぼんだ「ドーナツ型」や「くぼみ型」の枕が使われることがあります。

② 向き癖の予防

いつも同じ方向ばかり向いてしまう「向き癖」があると、頭の片側だけが平らになったり、バランスが崩れたりすることも。枕の形状によって自然と真上を向きやすくサポートできると、こうしたクセの予防に役立つことがあります。

③ 吐き戻しの予防

赤ちゃんの胃はまだまっすぐで逆流しやすいため、ミルクや母乳を飲んだあとに吐き戻しをしやすいという特徴があります。頭側を少しだけ高くする傾斜型の枕は、そんな吐き戻しのリスクを軽減するために考えられています。

【目的別】枕の形と特徴

赤ちゃん用の枕にはさまざまな形がありますが、どれも「かわいいから」「人気だから」という理由だけで選んでしまうと、実は赤ちゃんに合っていなかった…ということも。

ここでは、それぞれの目的に合わせた枕の形と、その特徴をご紹介します。赤ちゃんの状態やママの心配ごとにぴったりの枕を見つけましょう。

①頭の形を整えたい

ドーナツ型枕/くぼみ型枕

赤ちゃんの頭はやわらかく、長時間同じ姿勢で寝ることで、後頭部が平らになったり、左右のバランスが崩れたりすることがあります。

頭の形を整える目的でよく使われるのが「ドーナツ型」や「くぼみ型」の枕です。

ドーナツ型:中央のくぼみが頭を支えて圧力を分散
くぼみ型:ドーナツ型より浅めのくぼみでフィット感◎

※変形が気になる場合は、枕に頼るだけでなく、授乳の向きを変える・タミータイム(うつぶせ遊び)を取り入れるなど、他の対策と併用するのが効果的です。

②向き癖を予防・改善したい

ドーナツ型枕(+使い方の工夫)

赤ちゃんがいつも同じ方向を向いて寝てしまう「向き癖」は、頭の形に左右差が出るだけでなく、骨格や筋肉の発達にも影響する場合があります。

ドーナツ型のように頭の位置を安定させる枕は、自然に真上を向く姿勢をサポートするため、向き癖の予防や軽減に役立ちます。

✅くぼみによって頭の位置が固定されやすい
✅上向きで寝かせたいときの補助として使える

ただし、枕だけで完璧に予防できるわけではありません。日中の声かけの方向を変えたり、おもちゃの位置を工夫したりするのも大切な対策です。

③吐き戻しを軽減したい

傾斜型枕

赤ちゃんは消化器官が未発達なため、授乳後にミルクを吐き戻しやすいものです。
そんなときは、上半身を軽く持ち上げる角度のある「傾斜型枕」がおすすめです。

✅上半身が10〜15度程度傾く設計
✅胃からの逆流を防ぎ、吐き戻し対策に◎
✅夜間の授乳後の就寝に使う家庭も

使用中は必ず赤ちゃんの様子をこまめに見守り、必要に応じて医師に相談しましょう。

④多用途で便利に使いたい

2WAYタイプ/授乳クッション兼用枕

「授乳時も使いたい」「お出かけ先でも役立つものがいい」そんなママには、多用途に使えるタイプがおすすめです。

✅授乳クッションと枕を兼ねた2WAYタイプ
✅車やベビーカーに使える携帯用ミニ枕
✅新生児期〜3歳ごろまで長く使えるロングユース設計も

見た目だけでなく、安全性や清潔さ(洗えるかどうか)もチェックしましょう。

枕選びでチェックしたい安全ポイント

赤ちゃんの枕を選ぶうえで大切なのは、「目的」に合っているだけでなく、安全性にもきちんと配慮されていることです。

赤ちゃんは自分で寝返りを戻したり、危険を避けたりすることができません。だからこそ、ママやパパが“安心して使えるかどうか”を判断してあげる必要があります。

ここでは、赤ちゃん用枕を選ぶときに必ずチェックしておきたい4つの安全ポイントをご紹介します。

①やわらかすぎない“適度な硬さ”を選ぶ

ふんわりと柔らかい枕は一見気持ちよさそうに見えますが、赤ちゃんにはNG。寝返りを打ったときに顔が沈み込んでしまうと、鼻や口をふさいで窒息のリスクにつながる可能性があります。

✅指で押してすぐに戻るくらいの硬さが目安
✅顔が埋もれない、平らで安定感のあるものを

② 通気性の良い素材を選ぶ

赤ちゃんは大人よりも汗っかき。特に頭まわりは汗をかきやすいので、蒸れにくい素材を選びましょう。

✅綿100%のタオル地、ガーゼ、メッシュ素材などがおすすめ
✅夏場は吸湿性が高く、肌にやさしい素材が◎
✅オーガニックコットンも人気です

③ 丸洗いできる or カバー付きで清潔に保てる

よだれや汗、ミルクの吐き戻しなど、赤ちゃんの枕はすぐに汚れてしまいます。いつでも清潔に保てるように、お手入れしやすいかどうかは重要なチェックポイントです。

✅枕本体が洗濯機で洗えるタイプ
✅カバーが取り外しできる&洗い替えがあると安心
✅洗剤は赤ちゃん用の低刺激タイプを使用しましょう

④ 飾りやリボンなどの装飾が少ないものを選ぶ

見た目の可愛さに惹かれてしまいがちですが、装飾が多い枕は思わぬ事故の原因になることも。

✅立体的なパーツ、ボタン、リボンは避ける
✅赤ちゃんの顔に触れないシンプルなデザインが◎
✅カバーは鼻や口をふさがない、フィットするタイプを

商品ページやパッケージに「赤ちゃん用」「ベビー用」と書かれていても、これらの安全性をしっかり見極めることが大切です。

使うときの注意点

赤ちゃん用の枕を選んだあとに大切なのが、「どんなふうに使うか」ということ。せっかく良い枕を選んでも、使い方を間違えると思わぬトラブルや事故につながってしまうことも。

ここでは、枕を使うときに気をつけたいポイントや、日々のケアのコツをまとめました。

① 使用は「目が届く時間帯」から始める

まだ首がすわっていない赤ちゃんや寝返りができない時期は、枕の使用は慎重に。最初は昼間などママが見守れる時間帯に使い始めるのが安心です。

✅夜間や長時間の使用は避ける
✅窒息や顔の沈み込みがないか、こまめに様子をチェック
✅吐き戻しが多い赤ちゃんは特に注意

② 赤ちゃんの成長や頭の形に合わせて調整を

赤ちゃんの頭の大きさや形、好む姿勢はひとりひとり異なります。枕がフィットしていないと、逆に寝にくく感じてしまうこともあるので、使いながら調整してあげましょう。

✅頭がくぼみにきちんと収まっているか確認
✅サイズが合わなくなってきたら買い替えを検討
✅無理に使い続けず、赤ちゃんの様子を最優先に

③ 定期的に寝具全体の見直しも

枕だけでなく、敷き布団や掛け布団の柔らかさや安全性も、赤ちゃんの睡眠環境としてトータルで考えることが大切です。

✅敷き布団・マットレスは沈み込みの少ない硬めのもの
✅掛け布団は軽くて払いのけやすい素材
✅うつぶせ寝や顔が布団に埋まっていないかをチェック

④ 洗えない場合は「清潔に保つ工夫」を

丸洗いできない枕の場合でも、清潔を保つことはとても大切です。

✅天気の良い日は天日干しをして湿気を飛ばす
✅ガーゼ素材の枕カバーをこまめに交換する
✅汚れた場合は固く絞った布で優しく拭き取る
✅赤ちゃん用の低刺激洗剤を使うと安心

枕は“使うこと”がゴールではなく、赤ちゃんが心地よく、安全に眠れる環境を整えるためのひとつの手段。だからこそ、使い方にもほんの少しの配慮を加えるだけで、赤ちゃんにとってもママにとっても、ぐっすり眠れる安心感につながります。

まとめ

赤ちゃん用の枕は、「頭の形を整える」「向き癖を防ぐ」「吐き戻しを軽減する」など、目的に合わせて使うアイテムです。

選ぶときは、赤ちゃんの状態に合ったタイプを選び、安全性に配慮することが大切です。

✅やわらかすぎない適度な硬さ
✅通気性・素材・洗いやすさをチェック
✅飾りが少なくシンプルなデザインを選ぶ

また、使い始めは見守れる時間に、成長に合わせて見直すことも忘れずに。

「なんとなく」ではなく、「安心して使える」枕選びを、ぜひ心がけてみてくださいね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コージー | 睡眠コンサルタント

社会人生活の傍らで続けていたスポーツ競技での故障や身体の不調を経験し、健康維持や病気の予防に関わる仕事を志す。
国内最大手企業→ヘルスケア業界へ転身し、医療機器開発やヘルスケアサービス開発等に従事。これまでに、国、自治体、医療機関等と連携し、様々な未病予防や予防医療に関する事業を推進、展開。
現在は睡眠関連の事業を立ち上げ、睡眠の悩みや身体の不調が気になり始めた方に向けて、「知る」「予防」「改善」につながる取り組みを推進中。

睡眠健康指導士上級
スリーププランナー
NESTAスリープサイエンススペシャリスト
健康マスター

コメント

コメントする

目次